すずしくなる話。

先日夜中に窓を全開にしてネットをやっていたらば、耳元で虫の羽音がしたので「またカナブンが入ってきたな鬱陶しい」と、音の去った方向に目をやったその瞬間、固有名詞を記すのさえおぞましいアレが視界に入った時の、あの恐怖たるや……! その後? キンチョールの一撃を喰らったんだ、もう生きちゃいるまいよ…(何その敗北フラグ)。いやもー、その夜は蒸し暑かったんですが、冷房いらんぐらい肝の底から冷えました。恐怖は本当に冷房いらずな効果があったのね…。

霊感ゼロなんで、見えもしない幽霊なぞ怖くもなんともありませんが、生理的嫌悪感を装備した生き物は怖いです。そして人間はもっと怖いですガクブル(いろんな意味で)。

それはさておきジャンプ感想です。でもバクマンだけ。
なんか今週は、めだかちゃんもあねどきっもイマイチだったなあ…。ToLOVEるのひとり勝ちっぷりは異常(お色気的な意味で)。美柑かわいいよ美柑。

では本題。

うーーーーん(困)。
今週の展開、賛否両論ありそうだなあと思い、試しににちゃんのバクマンスレを覗いてみたら、やっぱりその通りでした。というか、わたしと同意見の方がすごく多くて、なんとなく複雑な気持ちに(苦笑)。

まさか休載ではなく、手術も受けて原稿も落とさないという選択肢でいくとは思いもよりませんでした。やられたね。

サイコーは原稿の完成を諦めておらず、亜豆の制止も振り切ってシュージンを根負けさせ、カラー原稿に向かいます。やっぱりコピック使いだったのね。
ものすごーくあっさりと、亜豆とサイコーご対面。亜豆との誓いを破ってでも原稿は描く、というサイコーの決心の表れだと思うんですが、これって「サイコーと亜豆は夢を叶えるまで会わない」という、作品の核になる重要な「縛り」をとっぱらったことになる訳で、こんな形で解除…? と思わずにいられません。でも、デスノも前半のノートの紆余曲折ぶりによって月が(計算込みとはいえ)振り回されていたことを思えば、読者が思っていたよりは重要ではなかったということでしょうか。もしかしたら、バクマンは大きな転換を控えているのかも…?

今回、何が問題かというと、

サイコーがどうしても原稿を落としたくない一心から無茶を押し通そうとする気持ち。
亜豆がそれを支えたいと思う気持ち。
仕事と友情の間で揺れていたシュージンが根負けして、サイコーの元に原稿を持ってきた気持ち。

分かります。でも、それは「若さゆえの暴走」であって、ぶっちゃけ自己満足しているだけなんですよね3人とも。わたし自身がもういいトシなもんで、3人の気持ちは理解できても、共感はできないです。そのエゴがどれだけ周囲を心配させ迷惑をかけるのか、分かってないだろと。
いや、“分かっていない”のはいいんです彼らはまだ高校生ですから。ですが、サイコーと亜豆の最後の行動、それに対する港浦さんの反応は、バクマンが今まで描いてきた「リアリティ」から明らかに浮いている。このままサイコーのエゴを肯定する展開にはなって欲しくないです。あの場にいたのが港浦さんでなく、服部さんなら絶対サイコーを叱り付けて止めていたと思います。ここでオトナがガツンと云わないと、サイコーは精神的に成長できないと思うんですよ。実際病状が悪化して、ますます描けなくなったらどうすんの?

ただ、エイジのお見舞いの様子からして「サイコー休載ナシでトラップ続行VS本気全開のエイジinクロウ」の対決はやりそうな。そうなるんだったら、編集部もシュージンも、見吉もサイコーママンもお医者さんたちも納得するような展開にして欲しいです。最低でもあしたのジョーなりきり根性論が通じるほど、現実は甘くないよと釘をさされるエピぐらいは入れておいて欲しいかなー。とにかく、読者が感じる違和感を見越した展開であれと望まずにいられません。あのデスノの原作者だから、分かっててやってると思うんですが…。

亜豆の行動を肯定した上でですが、「覚悟もないのに“男だから”なんて云わないで」(意訳)とシュージンに云い放ったシーンはすごいと思いました。肝が据わってるなあ…。でもこのことが見吉にバレたら大喧嘩になるんじゃ?
しかし、実はサイコーが亜豆を想うより、亜豆の方がずーっとサイコーを好きだったというのはすごいな。小学4年生からずっと好きだったとかびっくりですわちょっとおっかないけど(苦笑)。

それにしても、先週はToOVEるより下位で今週は上位と、こんなに掲載位置の振幅の激しいマンガは珍しいんじゃないでしょうか。いっつもハラハラしちゃうよ…! 本気で危なくなりそうだったら、アンケ出す覚悟はありますが。
はらよしかず :: - :: -